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制作・研究の概要(コンセプト)

 木を素材に、骨のような形の立体作品を制作しています。

 骨をモチーフにしたのは、塑像などの彫刻作品を制作するときに作る心棒が、生物の芯となり肉体を支える骨の役割を持っているため、骨の形を取り入れ心棒そのものを作品化していくことでよりシンプルに形の本質に迫れるのではないかと考えたためです。

 心棒の作品化という発想はいろいろなきっかけがあるのですが、学生のころに日立市郷土博物館で開催されていた人形の展覧会において、ゼミの先生が人形の着物(表層)を取っ払って内部の構造がむき出しになった状態のものが展示されているのを前に人形が彫刻として成立しているというような内容を話されていたのが印象に残っていたことと、その後、塑像(下図)の制作中に、置物の工芸品みたいになってしまったモノがあり、最初から作り直すため解体したときに現れた骨組みが先述した内側がむき出しになった人形の持つ彫刻的な側面とのつながりを感じられたことが強い動機となった思います。

 実物の骨を芯に彫刻を制作するといった手法はヘンリー・ムーアをはじめとした多くの先行研究と作品に見られる。また、博物館で展示されている骨格標本や図鑑といった多くの資料が存在する。

制作方法として、上記に挙げた参考資料を基に骨の持つ独特な形や曲線を取り入れてつつ、木そのものが持つ枝や節の凹凸も残しながら形を作り上げていくやり方で研究を進めていきたいと思います。

 また、骨をモチーフにすることで、一つ一つのモノが独立した形を持つ作品となると同時に、作品の凹凸のポイントを組み合わせていくことで、骨の関節のようにモノ同士が骨格のようにつながり、新たな形に展開していくことができると予想されます。また、作品を心棒として活用することで肉付されたモノが量感のある全く異なる形に変化することができます。このように本研究を進めていくことで様々な手法や可能性を、制作研究の課題として意義があると考えられます。

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